マイホーム新築ごっこ ~その2「土地探し」、庭は何のため?~
建築費が高止まりし、土地価格もゆるやかに上がっている今、資金を有効に使うために「自分たちの思い描く家を建てるなら土地は最低でも何坪用意すればいい?」という考えになっていますよね。思い描く家のデザインはそれぞれでも、面積はどのぐらいなんだろう?
さて今住んでる平均的な2LDKのアパートなら面積は50㎡ぐらい。坪に直すと約15坪。ではマイホームの面積は? ハウスメーカーの営業マンに訊くと「ご夫婦+お子さんお二人ぐらいの単世帯なら、だいたい延床35坪から40坪ぐらいが平均ですね」と答えるはず。「ノベユカ?」って何?
延べ床面積とはキッチンやリビング、寝室などに加えて玄関や階段、トイレ、浴室、WICなど収納まで1階2階のすべての床面積を合計したもの。業界では延床面積と呼んで指標にしています。単世帯でなく親夫婦も同居の「二世帯住宅」だとリビングや玄関も広めで寝室は2つ、場合によってはキッチンも2つ。延床が50坪以上のことが多いはずです。
必要な土地の面積に話を戻します。延床35坪の家として総2階建の場合、割る2で建築面積(建て坪、1階の面積のこと)は理論上18坪で建てられるというワケ。建ぺい率(土地に対して建築できる面積の制限値)が、福島市のごく一般的な60%の地域だとすると、この場合土地は最低30坪必要ということになります。
30坪の土地に建て坪18坪の建物を建てると残念ながらクルマが1台しか置けないのです(しかも軽のみ)。それで構わないという場合でも「庭」が全くない住宅になります。
実はそれが、1990年代から首都圏を始め全国で販売棟数が激増している建売住宅パワービルダーの平均的な家。とても売れています。賃貸から住み替えの方々の、庭を持たない暮らしです。福島県の平均的な持ち家の土地1軒分の土地に、なかには3棟建てるケースもあります。うーん、悩ましい。合理的、効率のいいスマートな考え方。それは、そう。でも果たして、それでいいのかしら。
続きは、また。