鮭は生まれた川に戻り、ブナになるのです

2023/12/14

なんのこっちゃ?と思っていることでしょう。イクラご飯が大好物のワタシ、オーサワMも「秋鮭のブナ化」という言葉を見て「なんで木になる?」と思いました。気になるな。

鮭は北の海からはるばる帰還して川を遡上し始めると、産卵準備のカラダに変貌してくるんですって。いわゆる「婚姻色」というヤツ。鮭の種類や個体によってボディが紅色の縦じまが浮き出てきたり、黒っぽくなってきたり。脂が落ち、歯もするどくなってくる。それを「鮭のブナ化」と呼ぶのだそうです。ちょうど写真でご覧いただくブナの樹皮のような模様に見えるというのが由来です。

山々や森に降った雨や雪は、土に還った落ち葉や枯れ枝の養分を含みながら地面に染み込みます。岩盤に磨かれて地下水となり透き通った湧き水に、そして川になり大海へとそそぐ。森の香りに包まれ、川底の苔を食んでいた幼魚もいよいよ海へ泳ぎ着き、やがて遠く冷たいベーリング海へ。数年後、鮭は生まれ育った川の懐かしい香りを頼りに郷里の流れに戻る。産卵のためです。

彼女の体が森のブナに染まるのは、遥かな記憶を現わしているよう。子孫を残したい、この川で生きていって欲しい。森の香りがつなぐ命のバトン。今日はイクラご飯、感謝しておいしくいただきます。では、また。