「感謝しかありません」に違和感を抱くアナタに正解を
この春は「暑さ寒さも彼岸まで」が通用せず、思いがけない寒気にあたったことで桜のツボミも我慢が効いたか、ピンクの色が濃いんじゃないのと予測オジサン。近頃、各方面から聞こえてくる「感謝しかありません」の安売り大会に違和感を抱きます。それ、使い方間違っていませんか?
春と言えば、群馬県勢が初の優勝を遂げた第96回センバツ高校野球大会。そのさなか球児がインタビューに答えて、今大会を潮時にチームから去ることになった監督に向け、万感の思いを込めて「監督には感謝しかありません」と。
これ、です。このシチュエーションなら良いのです。3年間、しごきにしごかれ、叱咤に次ぐ叱咤、時にはレギュラーを外され、下級生が次々と実力をつけてきた。敗北感に打ちひしがれている時に監督の言った一言「俺は信じてるぞ、這い上がってこい!!」に心を強くしたあの日。そして1年後、この甲子園に立つことができた。つらい思いをたくさんしてきた。でも、今はもう感謝しかありません。
つらい過去、憎みたくなる瞬間。でもその過去を忘れてしまうぐらい、今は感謝の気持ちだけが残っている。だから「感謝しかありません」なんです。憎むことのなかった人に感謝したいなら「感謝の気持ちでいっぱい」でいいんですよ、ね。
では、また。