ニュースと報道のオモテとウラ

2024/09/17

物事にはかならず表裏があり、片面から見ただけでは本質は見えてこない。

例えば葉っぱのオモテはツヤツヤしてることが多く、表面近くには細長い紡錘形の葉緑体がタテにスキ間なく並んでおり、日光を受けて光合成を行いせっせと酸素をつくり出す。いっぽう葉の裏は割とスカスカで二酸化炭素を吸う気孔まであって比較的、やわらかい。見た目も役目もまったく違う。

また近年、光が当たりつつある「ヤングケアラー」の問題。学校へ行きながら365日、親などの介護をしなければならない境遇の子。小中学生も10%を超えるとの調査がある。教室の彼らには表面上には苦悩は見えず、成績優秀な場合もある。家で勉強する時間が取れないので授業に集中するからだという。しかし友だち付き合いはまったくなく、部活動には入れない。これだけでは単にスポーツ嫌いでガリ勉の子だ。

近ごろメディアを賑わす某県のパワハラ知事。ところが問題なのは県職員の方だという。部課長以上の定年退職者が大勢、県の関連団体などに天下りして高給を手にしている。その数、毎年30~50数名。年収700万円超も含まれる。ここまでは良く聞く話だけど、その既得権益を崩しにかかったのが今、問題になっている知事。3年前の当選直後から、民間活力を生かすべきとして天下り規制と天下り後65歳までの制限設定に乗り出したのだという。それに抵抗したのは既得権益を必死で守りたい人々、往年の県幹部など職員OBが権力をふるう県労組だ。現職員から聞き取りした情報をもとに作成されたのが怪文書たる「公益通報」となったというのが、事件の全体像。もちろん人が亡くなっていることなので知事をヒーローになどできない。しかし数々のオネダリ慣習も前・井戸知事からの伝統を踏襲しただけらしい。ウラもよく見ないとね。

では、また。

月の裏側を見てみたい